これまでのブログでは主に固形ゴムについて紹介させていただきました。視覚的格付けゴムや技術的格付けゴム等固形ゴムには様々な種類があることをご理解いただけたかと思いますが、今回は固形ゴムではなく、その原料となる天然ゴムの樹液、つまりは天然ゴム ラテックス 品について紹介させていただきます!
そもそもラテックスって…?
ラテックスとは、広義にはゴムの木から取れる乳白色の樹液のことを指しており、それを工業製品化したものが、天然ゴムラテックスになります。天然ゴムラテックスは天然ゴムの原料であるフィールドラテックス(ゴム樹の白い樹液)を保存がきくように加工したものであり、ゴムの樹液を遠心分離機(上部画像の青い機械)にかけて水分を飛ばすことでラテックスのゴム分を樹液状態の約30%から約60%程度まで濃縮するため、濃縮ラテックス(英語名は”Concentrated Natural Rubber Latex”)などと呼ばれます。
天然ゴムラテックスは主にテープや靴底の粘接着剤の原料やゴム手袋、風船、コンドームなどのフィルム製品、タイヤコードなどの繊維のディッピングに使われております。天然ゴムが工業的に使用される前からアマゾンでは衣服をゴム樹の樹液に浸して防水加工をしていたと言われております。
ゴムの木からしたたり落ちる樹液(ラテックス)
天然ゴムラテックスの種類
天然ゴムラテックスには大きく分けて2つの種類があり、それらは主な添加剤であるアンモニア(Ammonia)の添加量によって変わってきます。
ラテックスグレード | アンモニア濃度 |
High Ammonia (HA)グレード | 0.6 % m/m 以上 |
Low Ammonia (LA)グレード | 0.29% m/m 以下 |
HAグレードが最も一般的なグレードになります。
天然ゴムは生の樹液のため、そのままでは固まってしまったり、腐ってしまったりします。アンモニアを添加することでそういった事態を防ぎ、保存がきくように工夫されています。
但しアンモニアを添加したラテックスはアンモニア臭がかなり強く、顔を近づけて嗅いだ時は目や鼻への強い刺激性があります。そのために主流のHAグレードとは別にアンモニアのにおいを抑えたLAグレードが開発されました。LAグレードはアンモニア添加量が抑えられている分保存性が低下するため、その他添加剤を加えることでアンモニア不足を補っております。とはいえ、臭い自体は気になるので用途次第では製造に使う前にアンモニアを除去する工程を踏むこともあり、超低アンモニアラテックスなどの商品も開発されております。
各農園から集められてきた樹液(ラテックス)
製品の取り扱い品目(日本国内)
弊社はタイ産の天然ゴムラテックスのHAグレード、LAグレードを両方在庫しております。
ご興味のおありの方は、当ウェブサイトの主な取扱品目ページをご覧いただき、お問い合わせフォームよりご連絡を頂ければと思います!